“2008年に行った貴重なインタビューが出てきたのでupすることとなった。”
2005年…【PENETRTER76】が事実上活動休止になり、
その後、難病BEAT声蔵などの異名を発表、現在はクラブシーンにも活動の場を広げた。
今回、ドラマーとして、難病BEAT声蔵として活動を広げている彼に急遽決まった突撃インタビュー。
TEXT/PHOTO:PUNCHINGBALL
INTERVIEWER:CeeFor-C4 |
Data 2008.5.3
−じゃあ始めようか?
N:うん。
−PENETRATER76が終幕して難病BEAT声蔵になってからここ最近はどんな感じだった?
N:PENTRATERやってた時はさドラムから離れて
て、グラフィティとかレコード掘ったりとか、
ターンテーブル買ったりとかで、HIPHOPの文化を楽しみながらPENETRATERの時は活動してた。
自分がまたドラムに戻って来た時に、表現の仕方は自分のやり方でいいんだなと思った。
自分の中ではグラフティとかも好きだったんだだけど、それが、一番じゃなくて、
活動してくまでにはもっていけなくて。人の音とか活動とか見てて、色々思ったときに、
やっぱり自分で掴んでかなきゃ、自分のスタイルを出せないなと思って、でそこからドラムに戻って、
生のバンドなんだけど普通のバンドじゃなくてそこにDJ入れたりとかPENETRATER時代に考えてたことと、
自分が今までやってきたものと、これからやりたいものが良い感じで組み合わさって来てるんだよね。
それをLIVEで出来るようにするっていうのが、PENETRATER76後から今までの活動なんだけど。
−自分の求める理想の形にはなってきてるの?
そうだね。まだ全然出せてないけど、かなり明確に見えてきてるね。
それは俺はあえて、自分はドラムでやってるけど、
ドラマーなんかHIPHOPやクラブシーンで必要とされてなかったわけよ。でもそこでやってみたかったんだよね。
そこで聴いている人達が小さいJAZZのライブハウス見に行くのかって行ったら、少ないと思うんだよね。
逆にJAZZ好きの奴がクラブに行くのかって行ったらさ、どこか倦厭してたりするわけよ。
自分の中で壁を作りたくないってのがあって、小さいライブハウスでも、
夜中のイベントとかクラブでも両方やっていきたいんだよね。
−今まで手探り状態だったと思うんだけど、今までで一番大変だったことはなんなの?
う〜ん。
−もうこれさえ解決すればとかさ、表面的なことじゃなくても。
今でも完成形には辿り着いてないし、これからも着かないと思うんだけど、 演奏とか音楽によって、考えたりとか、
考えさせられたりとか、あとは音楽って会話したりとかして駆け引きも出来るものだと思うし、
あとはもっと大きい面で遠くにいる人に伝えたいとか、もっと大きく地球とか宇宙を自分なりに表現してみたりとか、
そういうところっていうのは自分の永遠のテーマでもあるんだよね。
今は全然出来てないんだけど自分から見た地球とか友達とか人とかドラムっていうのはなんなんだって所が
少しずつ明確になってきてるから、一番時間かかる所だし四苦八苦してる所かな。
−今のメンバーはその辺のことはどうなの?
今、一緒にやってるけどあーくんが思ってることとがっちり合ってるとは思わないけど。
メンバーに対してこれだ!ってものはあるわけ?
そうだね、世界を視野に入れたバンドで、技術を持ったバンドで構成させたいと思ってたのが一番だったのね。
だけど、それ以上の部分で俺はドラマー
だけどブッタブランドのデブラージとか、ボクシングの辰吉丈一郎とか、
ドラム以外の人が出してるメッセージ性に強く影響を受けるっていうのがあって、
そういう所って一人ひとりバンドのメンバーにもあると思うんだけど、なかなかそこを繋げていく作業っていうのは、
かなり難しいっていうか、だからそうだねー、ただのバンドにはしたくないんだよね。
−10代のころと20代になってからと音楽の捉え方は変わりましたか?
変わってる所と変わってない所があるね。え?10代の頃と?
−まあ、単純に幅広いものを見てきて変わってきたとは思うんだけど。
例えば、
10代の頃は[技術が一番]みたいな感じでやってる人もいると思うからさ。
そうだね。でも、音の捉え方はやっぱり変わったよね。かなり。
−それはどういう風に変わったの?
例えば、いろんなアーティストの人がいるじゃない?その人達の、この人は一番何が言いたいのかっていうのが、あんまり10代の頃ってつきつめないし、今俺が興味あるのは、その人達が出してる最新のアルバムとかより、どんどんどんどん掘ってくんだ。どこの出身で、どういうきっかけでとか、どういう音楽を聴いて育ったかって所まで、全部知らなくてもね。想像出来るくらいのアーティストっていうのが一番共感できるし、自分なりに掘ってって楽しいっていうのがある。そういうのって10代の頃ってあんまり興味なかったから、もっと演奏の具体的な技術だったりとかに時間かけてたっていうのが今と全然違うけどね。ただ、根本的に何か出していきたいっていうのは同じだけど。やらなきゃ気がすまないっていうのは常にあるけどね。
−結構現場での生演奏がほとんどなわけじゃん?例えば、MPCでCD作ったけどさ、この先現場だけじゃなくて製作とか、俺はもっとやって欲しいなって思うんだけど。その辺はどう考えてる?本当に現場一本しかやらないとか、そこまでのこだわりはないんだと思うんだけど。そこまで、音に対してのこだわりがある人だから、自分で作ってみるじゃないけど、製作っていう方向も考えたりしてるの?要するに、CDとか形にするって事だよ。自分のやりたいことが詰まった作品を作るっていう。生ではなく、人にも聞いてもらうっていう手段としてさ。
いやー、凄い考えてるね。実際今いろんな所に働きかけし始めてるんだけど、アナログのレコードとかって流行とかじゃなくて、俺は凄い温かい良いものだなって思ってるし、テープとか?CDでもいいんだけど、とにかくメジャーとかアンダーグランドとか関わらず、自分で製作して納得いったものを、1回じゃなくて配信し続けられる様な土台作りっていうのをこれからはしていきたいなとは思ってるけどね。
−そういう事もやっていくっていう事でいいんですか?
うん。理想は大きくいかないとさ。(笑)ただ今は技術もそうだし、最近ピアノも弾き出したんだけど、
音楽的にトータルなものをやりたいからね。サンプリングとかも大好きなんだけど、それだけでね、自分としては納得出来てない部分があって、そこに技術とか音楽論とかもさ持ち入れて質の高いものをやって、それであえてサンプリングとかを出来るようになりたいんだよね。今はもっと現場もやりたいし、今年
はレコーディングも考えてるからさ、現場だけじゃなくて配信してくこともしていきたいけどね。大丈夫?真面目すぎない?
−真面目すぎる。
ははは!(笑)笑いとか全然なくなっちゃてるけど。(笑)
−音楽以外の趣味はありますか?
趣味?
−まぁ、俺から見てると私生活も音楽漬けで、例えば音楽のことも忘れるくらい楽しいことってある?
基本的に一人はダメだよね。(笑)友達とかといたりとかするのがいいよ。
一回病んでた時とかさ、こないだ入院してた時とかもさ一回音楽から離れるわけよ。
考えとかさ、出来るような状況じゃないからさ。
でもちょっとたまには音楽でも聴いてみようかなってなるわけじゃん。
リスナーとして聴いてみようかなって、そうすっとさ、それでまた感動受けちゃって
やりてぇーってなっちゃうんだよね。だから結局音楽に繋がっちゃうみたいなところはあるんだよね。
遠ざけようとしてもまたそこにさ繋がっちゃうときあるんだよね。だから全然休めてないじゃん。
っていう時があるんだよね。あとはプラモデルの江戸城。
−???全然作ってないじゃん。
(笑)
−置いておくのがすきなんでしょ?置いておくだけで満足なんでしょ?
うん。
−音楽やってなかったら、何やってる?どんな自分だった?
普通の仕事には就いてない気がするね。
−普通の仕事っていうのは??
サラリーマンとかさ。
−月曜〜金曜まで決まった時間に勤めてとか?
決まったことやるよりかは、自分で想像したりとか、作り出す方が好きっていう?
そうだね。あとは、さっき話してた10代の時と違うっていうのでもあるんだけど、
宗教もさいろんなものとか結びついてるんだよね。演奏を祈りって捉えている人もいるし、
全然そういうのもありだし、もしくはGHETTOのさ、FUNKとか人種差別?
社会的なメッセージを持ってやっている人もいるし、普通の仕事で淡々と仕事するよりかは、
画家とかさ、あーゆーのも
大好きなんだよね、畳屋とか。
−あー職人ね。職人肌の。
同じものを作るのとか好きだからさ。20個とか。内職みたいに。(笑)
−残るからね、そういう職人さんが作ったものって。手作りで。ペンキにしても、下駄にしてもさ。
格好良いねその帽子。こだわってるね。
-演奏したあとはどんなことを感じる?
もちろん気持ちよかったとか楽しかったとかあるけどさ、だけどやっぱり、反省しちゃったりするよね。
もっとこういう風にしてれば良かったんじゃないのかなとかさ。もっとこういう風に出来たかなとか。
-やりきったというか、伝えたいことは出し切ったという爽快感が大きいのか、
こーすれば良かった、あーすればよかったっていう方が大きいのかは?
全然後者の方が多いね。結局コルトレーンとかもそうだったんだけどさ、自分が納得いくような、
やりたいようなものをずっと模索してるわけじゃん?意外とあとから考えると、
がむしゃらにやってた時にもう出てたりするんだよね。だけどその時はがむしゃらだから、いやこうでもない、
あーでもないっていって、色んな方向にいっちゃうわけよ。俺もLIVEのあと今日すごい良かったよ。
って言ってもらえる時はすごい嬉しいわけ。でも、そーでもねーんだよな。
ってとこで、100%納得いく日なんてこねぇんじゃねぇかなって思ってるんだけどね。
−逆に演奏家として100%感じる人はそれ以上広がらなくなるって思うんだけど、どう思いますか?
でも本当に不安定だよね。でも俺何年かに一回位あるけどね。
今までの中のいっちばんBESTだなって思えるときっていうか、
自分がもしリスナーだったらこういう音楽聴きたいなって
心から思えることをプレイ出来るときってあるけどね。
だけどそれを高いレベルで常に出せる状況にしていきたいですね。
−今の日本の音楽はどうですか?
今ヒットチャートを賑わしている日本の音楽業界を単純にどう思いますか?
全然聴かないよね。だけど中島みゆきとか美空ひばりとかスピッツとかいいものはあるなーって思うけど。
だけど音楽業界はやばいでしょ。日本は。
−どうやばいの??
俺の理想は、TVでも音楽のことは一切やらない。TVでCDとかの宣伝も一切やらない。
それでも本当に聴きたい人達がライブに行ったりとか、自分で調べて今日レコードの発売日だ!
って楽しみでわくわくになるわけなんだよね。楽しみになるんだよね、自分で動くんだよね。
でもTVでじゃぁMステで見れます、YouTubeで見れます、ネットでIPODで一曲ずつ買えますっていったら、
家出なくてなんでも聴けて手に入っちゃう。
俺は一回そういうの無くした時に音楽の意味ってある気がするけどね。
自分で動いて実際に聴きに行ったりするわけじゃん?
bobjamesとかもさ、実際有名じゃない?うちらからしたら。
だけど実際行ったら一ミュージシャンに過ぎないというか。
世界中の音楽をやっている人となんら意識は変わってないんだなっていうのがすごい分かるというか。
「ただ僕は音楽を演奏している一人なんですよ。」っていう純粋な気持ちだよね。
俺は音楽してる姿をTVで流すんだったらそういう姿を流して欲しいと思うんだよね。真剣にやっているんだな。
音楽って本当に良いものなんだなって思わせるように。そういうのが無さ過ぎると思う。
コイツは凄いから絶対良いとかさ。決め付けるものじゃないしさ。
ビジネスになってる時点で矛盾はしてるんだけど、
特に今住んでるのは日本だから日本のTVしか分からないけど、TV自体も音楽業界も好きじゃないね。
かといってアングラだけが本物なんよっていうのは俺は言い切れないと思う。
そういう根っこの部分の気持ちを持ちつつメジャーで仕事してるすごい人達っていっぱいいるからさ。
久保田利伸とか、小田和正、山下達郎とか、でもTVなんか出ないじゃん?
でもそこはリスナーが見抜いて欲しいというか、巷に流れている音楽を俺はいいとは思えないよ。
でも、俺はさ、これから成し遂げたいことでもあるし、すごく感覚的だよねって言われることが多いんだけど、
自分の中で本質だなって思っていることがあって、それは俺がある曲を聞いたときに、
この一曲を作り上げるまでにどんだけの苦労、時間をかけただろうなって感じたわけね。
そこで俺は泣きそうになってた。この一曲の為に何千枚のレコードを掘って、飯代削って吉野家食べて、
寝る間惜しんで、やってたのかなってところが一番きたのね。そんなとこなんて普通興味ないんだよ。
それよりかはこれノリよくねぇー?みたいなさ。言い切れないとは思うけど、
俺はそういう部分に感動したっていうのがあって
そういう姿がアーティストから見えるっていうのが本物の演奏家とかアーティストじゃないかなって思う。
音以外の所を伝えられるというか、
その人が歩んできた足跡が想像できるっていうのが面白いんじゃないかなって思う。
−HPのブログとか抽象的な表現が多いって言われることが多いと思うんだけど、それってやっぱり、
音楽の中で演奏したあとに何がやりたいんだ?難病BEAT声蔵ってどういうことがやりたいんだ?
って聞かれたことがあったと思うんだけど、これからはどういうものをやっていきたいんですか?
明確に出せるんだったら文章でいいじゃんって思っちゃうけど。北野武の映画とか好きなんだけど、
でも映画とかだとテーマがあるじゃん。テーマに添った音楽やアルバムって好きなんだよね。
エジプトの砂漠をイメージしてこのアルバムを作りましたと。
その一曲一曲を通してその風景を想像出来るのとか好きでさ、
そういう作り方を難病ではしていきたいんだよね。
一つの世界とか抽象的なものを形にしたりしたいから、明確に、
ドラマだとセリフで分かりやすく進むけど、映画の1シーン風景だけとか。
1シーンだけでどう暴力を表現してるかの方が俺は興味がある。人の捉え方によって違うっていう。
分かりやすいドラマとかの作りとは違うかもしれないけどね。
あとは目だね。築き上げたものは目を見れば分かるよ。
自分が見てきたものを凝縮して濃いもんを詰め込むっていうのが難病の醍醐味なんだよね。
※このインタビューは2008.5.3に行ったものであり、現在の活動状況とは異なる部分も含まれます。
Presented by Seizo Productions.
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Atsushi Miki
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